山で安全に活動するために

アウトドアブームで家族や友達と山へ登山やトレッキングなどを楽しむ方が増えてきています。ここでは、山で安全に活動するための基本は、①気象情報をこまめにチェックする②滑落や落石等の危険箇所を把握し、必要に応じて装備を準備③危険な動植物(蜂、ウルシ等)の把握④熱中症・低体温症の予防⑤けがをしたときやトラブルの際の対応策を準備しておく、といったことがあげられます。ここではこれらのことを詳しく説明していきます。

<目 次>
1.気象の確認
 1-(1)山の天気について
 1-(2)山の天気でチェックするべき項目
 1-(3)山での知識
2.自然の中での危険について
 2-(1)危険な場所
 2-(2)危険な動植物
3.けがの対処について
 3-(1)山で多いけが
 3-(2)熱中症
 3-(3)低体温症
4.もしもの時は
 4-(1)山で道に迷ったとき
 4-(2)山で雷にあったら
 4-(3)山で雪崩にあったら
 4-(4)火山の噴火
5.まとめ

1.気象の確認

1-(1)山の天気について

山では天気が急変し、突風が吹いたり激しい雨が降ったりすることがあります。その場合は活動は中止しなければなりません。夏でも雨に濡れて低体温症になり、死に至る可能性もあります。このような事故を防ぐためにも山の天気の変化を事前に把握しておきましょう。
気象情報を入手する方法として、新聞、テレビ、インターネット等があります。また、山の天気専門サイトもあります。雨雲レーダーや短時間予想の精度も高くなってきていますので、是非活用しましょう。

1-(2)山の天気でチェックするべき項目

【警報】暴風雪、大雨、洪水、暴風、大雪など

  • 山の活動を行う際に、はじめにチェックする
  • 活動前に発令の場合は活動を見合わせ、活動中は直ちに中止し安全な場所に避難する

【注意報】強風、雷、濃霧、低温、風雪、大雪、なだれ、大雨など

  • 状況に応じて活動や日程を短縮するなどの配慮が必要

【その他】ゲリラ豪雨という狭い地域での気象の変化にも注意が必要です。

1-(3)山での知識

山では、高度が100m 上がるごとに、気温が0.6℃下がります。標高0m の平地で気温が25℃ならば、標高1000m の山頂では、19℃となります。
また、風速が1m 増すごとに体感温度は1℃下がりますので、山頂で風速10m の風が吹いていれば、体感温度は9℃となり、夏でも防寒着が必要な状況になります。

2.自然の中での危険について

2-(1)危険な場所

山での事故の原因の一つに、斜面から滑すべり落ちる「滑落」があります。急斜面から滑落すると大けがや死に至ることもあります。滑落しないためには、まず転倒しないよう気をつけなければなりません。そのためには、浮石(一部が浮いている不安定な石)に乗らないこと。光っている石や滑なめらかな石は濡れて滑りやすいので、その上を歩くときは歩幅を小さくし、足の裏全体を斜面につけて、ゆっくり歩くことが大切です。また、靴ひもがほどけていないか確認することも大切です。さらに、危険な場所を通りすぎて気がゆるんだときが一番危険であることも知っておきましょう。

2-(2)危険な動植物

スズメバチ

刺されると激痛が走り、患部がはれます。場合によっては、「アナフィラキシーショック」を起こし、死に至ることもあります。ハチの攻撃を受けそうな場合には、姿勢を低くし、ゆっくりとその場を離れることが肝心です。
刺された場合には、患部を水でよく洗い、「ポイズンリムーバー」などで毒を吸い出し、市販の抗ヒスタミンを含むステロイド軟こうを塗ってから病院に行きましょう。

3.けがの対処について

3-(1)山で多いけが

捻挫(ねんざ)

浮石の上に乗ったり、滑って転んだりして、足首などを捻挫することがあります。捻挫は、基本的に、RICE(ライス)という処置法に従い応急処置をします。
R(レスト)は安静、I(アイス)は冷却、C(コンプレッション)は圧迫、E(エレベーション)は高く持ち上げることです。まとめると、安静にし、冷やて、包帯を巻き、患部を上げることで症状をやわらげます。

やけど

山では、食事を作るために火を使う機会が多く、やけどをすることがあります。鍋をひっくり返して熱湯をかぶってしまったり、熱い鍋の取っ手を素手でつかんだり、さまざまなやけどが想定されます。やけどをしたら、すぐに水道水または氷で患部を冷やし続けることが大切です。また、水ぶくれができても、細菌による感染を防ぐためつぶしてはいけません。

3-(2)熱中症

熱中症は、気温と湿度が高い中で長時間活動し、たくさんの汗をかき、水分補給が少ないときに起こる障害です。体温調整ができなくなり、頭痛やめまいや吐き気がします。応急処置が遅れ、意識障害を起こすと、死に至ることもあります。
熱中症だと判断したら、活動をすぐに中止し、すずしい所に移動させましょう。そして、衣服を楽にし、体を冷やし、水分を補給します。特に首筋やわきの下など血管の集まっている所を、濡 れタオルや氷で冷やすと、体温を下げる効果があります。また、水分の効果的な補給法として、塩分や糖分の入った物を飲ませます。

3-(3)低体温症

長時間、低温にさらされると、脳や内臓器官の働きが低下し、低体温症となります。体の中の温度が35℃になると、こきざみなふるえが起こり、30℃以下になると幻覚などの意識障害が現れ、25℃以下になると死に至ります。低体温症は、夏でも、長時間風雨にさらされることで起こり得ます。標高の高い山に登る場合は、真夏でもフリースなどの防寒着が欠かせません。風があると、体感温度はさらに下がります。風や雨から患者を保護し、濡ぬれたものを着替えさせ、毛布などに包み、温かい物をゆっくり飲ませましょう。
低体温症から体を守るために、防水性の高いレインウェアや保温性の高いインナーを着用しましょう。使い捨てカイロの用意もおすすめです。

4.もしもの時は

4-(1)山で道に迷ったとき

山で道に迷ったなと思ったら、あせらずに、わかる所まで引き返すことが大原則です。気をつけることは、沢を下りて行かないこと。沢には滝があり、足を滑らせ滑落することもあります。地図とコンパスで現在地を確認することが肝心です。携帯機器のGPS 機能が使える場合もあります。

4-(2)山で雷にあったら

雷が鳴っている間は、どこに落ちるかわかりません。山で雷にあったら、まず、一番近くの山小屋に逃げ込みましょう。山小屋がない場合には、くぼ地や低い場所を探し、姿勢を低くし、雷が通りすぎるまで待機します。高く突き出たところは特に落雷しやすいため、大きな木の根元への避難は危険です。

4-(3)山で雪崩にあったら

雪崩は、雪の質や斜面の状態によって起こります。古い雪と新しい雪の接合面が滑り出して起こったり、新しい雪がたくさん降り、積もった雪の全体が不安定になって起こったりします。高山だけではなく、標高が低い場所(樹林帯)でも発生します。
雪崩には、表層雪崩と全層雪崩があります。表層雪崩は、雪が急に大量に降り積もった後や、急激な気温の変化があったときに起こることが多く、事前に気象の変化や積雪の情報を確認し、そのような条件がそろうときは行動を避けましょう。全層雪崩は斜面に亀裂があるなど、前兆があることが多いので、観察して避難の判断をしましょう。
大切なのは、雪崩が起きそうな場所に近づかないことです。万が一、雪崩に巻き込まれた場合は、なるべく雪面に出るように動き、呼吸ができるように両手で口の前に空間を作りましょう。

5.まとめ

山でのけがや事故は、場合によっては命に関わることにもなりかねません。安全は、与えられるものではなく自ら努力して確保するものということを頭において、事前の準備を怠らないようにして、安全にアクティビティを楽しんでいただきたいと思います。

自転車旅が好きな中年親父。キャンプ経験(キャンプディレクター)から、自転車キャンプツーリングにハマりました。名前の由来は、出生時の体重が3,750g (貫は重さの単位で、1貫=3,750g )だったことから。#自転車旅 #クロスバイク #アウトドア #キャンプ #自転車通勤

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